深夜のagony

「そうだ、霧生……JJはそうして触られるのが好きなんだ、そうだよね、JJ?」
「こ、こう、でしょうか……おいJJ、どうなんだ」
「……っ……よせ……」
「良い、ってさ。よかったな霧生」
「は……はい」

4つの手が俺の体を這い回る、後ろから俺を抱き込んでいる瑠夏の手は胸を弄り、霧生は俺の脚の間に体を割り入らせ、勃ち上がり始めていたものに触れている。俺の感じる場所を的確に煽る手つきとぎこちなく探るような手つき、全く違う触れ方に体はどんどん熱く昂ぶっていく。その感覚にたまらなくなり逃げようとするが、瑠夏は大して力を入れている様子もないのに、いくら動いてもその腕から逃れることは出来ない。

「おい瑠夏、離、っあ……!」

胸の突起を押し潰され、あられもない声が漏れる。その声を聞いた瑠夏が小さく笑い、首筋をベロリと舐め上げた。
そもそもどうしてこんなことになっているんだ。俺は、今夜瑠夏が部屋に来いと言うからそれに応じて来てみれば、そこに何故か霧生も居て、気まずくて帰ろうとした所を瑠夏に捕まってベッドに運ばれたかと思えば、この状態だ。
瑠夏を好きなはずの霧生がどうして瑠夏と共に俺にこんな事をしているのか、まったくわけがわからない。奴は俺を熱っぽい瞳で見ながらぎこちなく手を動かしている、そのもどかしさについ腰を揺らしてしまう。

「ほら霧生、JJがもっと、っておねだりしているよ」
「ち……がう……っ」
「ボス、どうすれば……」
「もっと強く……そう、先端も弄ってあげるといい」
「こう……でしょうか」
「よ、せ、霧生……あぁっ!」

霧生が触り方を変えると同時に瑠夏が胸を強く刺激してくる、体の芯が痺れるような快感が走り、俺は背を仰け反らせた。その反応を見てか、霧生の手の動きが早まり俺を追い詰めてくる。

「霧生、手を離、あっ、んっ……!」
「JJ……気持ち良いのか?」
「聞く、な、馬鹿……あっ」
「ふふ、そろそろ限界みたいだな……」

そのまま2人にバラバラな手つきで煽られ、俺は抗うことも出来ないまま霧生の手の中へ熱を吐き出した。

「あぁっ……!あ……」

快感の波がようやく引いていく。力の抜けてしまった体を瑠夏に預けるようにして寄りかかると、息を整える暇もなくその体を四つん這いに倒されてしまう。瑠夏はあっという間に俺の脱げかけた下着とズボンを足から抜くと、晒された後ろに何か冷たい液体を垂らしてきた。

「っ……なん、だ……」
「あぁ、冷たかったかい?大丈夫、ただのローションだよ」
「なっ……あっ、ん!」

ローションの滑りも手伝って、すんなりと指が俺の中に入り込んでくる。骨ばった指にかき回されると、すぐに体は反応し始めてしまう。シーツを握りしめながらその感覚に耐えていると、背中に伸し掛かっていた瑠夏が中をかき回している手を抜き、俺の顎に手をかけぐいっと上を向かせる。視線の先では少し戸惑った様子の霧生が、それでも目を離せないといった風に俺をじぃっと見つめていた。

「JJ、キミの乱れた姿で、霧生も興奮してるみたいだ」
「っ……JJ……」
「キミの口で、霧生を喜ばせてあげてごらん?」
「お、い……いい加減に、」
「JJ……JJ……!」
「っ霧生、待、んうっ!」

瑠夏の手が離れてすぐ、熱い昂ぶりが口腔に押し込まれる。思わず舌で押し返そうとすると、その刺激で中のものはさらに大きさが増した。苦しげな声を漏らした霧生が俺の後頭部に手を添え、さらに深く咥え込まされる。楽しげな笑い声が熱い息と共に背中に触れ、また瑠夏の指が俺の中へと入り込んだ。

「あぁっ、はっ……う、ん……っ」
「ほらJJ、ちゃんと舌を使ってあげないと」
「はぁ……ん、む……」
「……っ……はっ……」

早く解放されたいという気持ちで、霧生のものを唇で挟むようにして動かしながら先端を舌で刺激すると、口の中のものはびくびくと反応し張り詰めていく。全てを咥え込むのが苦しくなり、一度口を放してから今度は全体に舌を這わせる。霧生の漏らす声と咥えているものの独特な匂いと味に俺も興奮してしまい、夢中で舌を使った。後ろを出入りする瑠夏の指に煽られながら、俺自身もどんどん昇り詰めていく。

「あっ……!」

ずるりと指が抜かれ、つい声を上げてしまう。物足りなさに霧生のものから口を放し瑠夏を見ると、獰猛な欲を宿した瞳が俺を真っ直ぐに射抜いてくる。それだけで、体がぞくりと反応した。

「キミは欲しがりだな。霧生のものを咥えながら、ボクのも欲しいのかい?」
「あ、瑠夏……焦らす、な……っ」
「わかった……キミのそんな姿を見たら、ボクも我慢がきかないよ」
「ああっ……!」

後ろへ熱い塊があてがわれゆっくりと俺の中へ侵入してくる、求めていた感覚に全身がぶるりと震えてしまう。全てが埋め込まれると、瑠夏は俺の背中に舌を這わせながら喉元をくすぐるように撫でてくる。

「ほら駄目だろうJJ、霧生が辛そうだ」
「い、いえ……その……っ」
「き、りゅう……」
「JJ……すまない……!」
「ん、ぐっ!」

強引に霧生のものを咥え込まされ、流石に息が詰まった。苦しさに涙を浮かべながらどうにかそれを少し押し返し、先程のように浅く咥え舌で刺激する、こちらが落ち着いたのを見てか瑠夏が少し性急に抽挿を始めた。思わず霧生のものから口を放してしまいそうになるが、また無理やり押し込まれてはたまらないのでどうにか堪える。霧生のものを舐めている自分の立てる水音と、後ろを瑠夏のものでかき回される水音に、まるで耳まで犯されているような感覚に陥ってしまい、触れられてもいないものはすっかり勃ち上がってしまう。

「んっ、う……っは、あ、んうっ」
「あぁ、もうすっかり夢中だな……こういうJJも可愛いだろう、霧生?」
「……っ……その……」
「ん?」
「……こいつの、こんな姿は……新鮮で……っ……そう、思います」
「JJ、聞いたか?霧生は、キミが可愛くて仕方ないそうだよ」
「ボス……っ!」

俺は後ろを貫かれる感覚に耐えながら舌を動かすのに必死で、2人の会話はほとんど耳に入ってこなかった。それでもなんとなく不名誉というか、言われたところで嬉しくはない話をしているのはわかる。しかし反論するための口は塞がっているし、さらに俺を追い詰めるように瑠夏が勃ち上がった俺のものを握り込んできたのでそんな余裕はなくなってしまう。

「でも、キミがJJをこんなに気に入るなんてね……それをわざわざボクに言いに来るのは霧生らしいけれど」
「いえ、その……っボスには、っ、言って、おかなければと……すみません!」
「どうして謝るんだ?こうして2人でJJを可愛がるのも悪くないさ」
「……は、い……っ」

霧生のものが口の中でびくびくと震えだす、限界が近いのだろう。瑠夏も俺の背中に荒い息を吐きながら、抽挿のペースを上げていく。俺自身も瑠夏の手の中ですっかり張り詰めてしまっていた。

「っ、JJ……!」
「んうっ……ぐっ、う、ん……っは」
「ほらJJ、次はボクの番だ」
「あぁっ!あ、瑠夏……!」

霧生の出したものを飲み込みようやく口が自由になった俺に、瑠夏の容赦ない攻めが襲いかかる。深い抽挿と同時に前を擦られ、俺もあっけなく熱を吐き出してしまう。すぐ後、瑠夏も俺の中へと熱を注ぎ込んだ。瑠夏のものが抜けようやく解放されたとシーツに倒れ込もうとするが、ぐるりと体を回され、先程とは逆の正面には瑠夏、後ろには霧生という配置にひやりと悪寒が走る。

「お、おい、まさか……」
「まだ倒れるのは早いよ、JJ」
「無理、だ……!霧生、お前も、――っ!」
「すまんJJ……頼む」
「待て、きりゅ、あぁっ!」

つい先程俺の口に出したにも関わらず、霧生のものはすでに熱く昂ぶった状態で俺の後ろへとあてがわれていた。そうして俺の制止も聞かず中へ押し入ってくる。達したばかりの体にその感覚は耐え難く、シーツを握り締めかすれた声で喘いでしまう。

「は、ぁ……霧、生……っ」
「っ……JJ、その……大丈夫か……?」
「大、丈夫な、訳……んっ」

霧生に文句の一つでも言ってやろうとした所で瑠夏に顎をすくわれ、唇を重ねられた。

「……JJ、霧生だけでなくボクも喜ばせてくれないと」
「ほ……本気、か……?」
「もちろん。ボクも霧生も満足させてくれよ、JJ?」
「無理、だ……っん、う!」

半ば無理やり瑠夏のものを咥え込まされ、反論の術を失ってしまう。俺の中に入ったままじっとしていた霧生も、我慢出来なくなったのか動き始める。俺はこれからまだまだ続きそうな夜に気が遠くなりながらも、2人の求めを必死に受け入れた。


こんな事もうこれっきりにしてくれと喘ぎの合間に呟いたが、
瑠夏は妖しく笑い、霧生は気まずそうに視線を逸らすだけだった。