あけましておめでとうございます!
[2013年 1月 4日]
今年の俺は強気な俺様鬼畜系陽ちゃんや!そう意気込んでいたサングラスの男を無視して、俺はベッドへ潜り込んだ。年が明けたばかりだというのに賑やかな事だ、あのペースでは今年の年末には廃人になっているのではないだろうか。適当に毛布をひっかけながら、そのまま目を瞑る。
「JJさーん……流石に無視は堪えるんやけどー……」
「…………」
「新年早々俺の心にはブリザード到来や……大寒波や……」
ぐちぐちと落ち込んでいる様子の橘の声がうるさくて寝るどころではないが、それでも反応を返せば調子に乗って懐いてくるだろうから寝たフリを続けた。それこそ新年早々台風のような奴のテンションにつき合っていられない、それで救われる事も無くは無いが、八割方は面倒くさいだけだ。
しばらくは俺の反応を窺うように話続けていたが、やがて諦めたように静かになり俺の隣へと潜ってきた。何のためにベッドが二つあると思っているんだと、いつもなら文句を言って蹴り落とすところだが……まぁいい。
たまには、こういうのも悪くない。静かに背中を合わせて眠るだけで、この男が傍にいるのを感じるだけで、穏やかな気持ちになるのだから。想いを強くぶつけられるのは全く嫌という事は無いが、それよりこうしている方が互いに生きている事を感じられて、好きだと思う。
「……JJ……もう寝てもうた?」
「…………何だ」
「……ん……その、な……」
珍しく口ごもる橘に、どうしたのかと身体の向きを変えた。すると突然両腕を掴まれ、次いでカシャンと硬質な音がしたと思えば、反して手首にはやわらかい感触。何だと腕を引くより早く、橘がそのひとつに括られた手首をベッドサイドへ繋いでしまった。
「おい、何のつもりだ……!」
「今年の俺は、強気の姿勢やて言うたやろー?せやから、色々準備したんやで!」
本人としてはかっこつけたつもりかもしれないが、うきうきと怪しげな袋を漁る姿はまるっきりいつもの橘だ。手錠で拘束され、更にベッドサイドへと繋がれてしまった状態であるにもかかわらず、俺はまぁ大したことではないのだろうと高を括っていた。
手錠をよく見れば、手首に当たる部分にはピンクのふわふわした布のようなものがついている。怪我の防止だろうか、妙なところに気を遣っているようだ。
「まずはこれな!なぁなぁJJ、見て!」
「……お前、ヤクはやらないんじゃなかったのか」
「ちゃうわ!いやまあ薬は薬やけど、これは正真正銘、ほんまもんの媚薬や!」
いっそのこと、ヤクの方がマシだったのではないか。それをどこで手に入れてきたのかは知らないが、麻薬の類を殊更嫌う橘の事だ、そういった疑いのある店で手に入れたものではないのだろう。こいつは妙なところで鼻が利くから、俺もそこの心配はしていない。
だからそうではなく、それを使って何を始める気なのかと、まだ膨らんだままの袋には何が残っているのかという不安があった。どうせ碌なものではないのだろうが。
「JJ、あーん」
「……」
「……抵抗する気やな……なら」
橘は俺のベルトを外しズボンと下着を一気に脱がせると、その手にした便の中身をまだ何の反応も見せていない中心へと振り撒いた。冷たい感覚に身を捩るが、繋がれた手錠がジャラジャラ鳴るだけで大した抵抗にはなっていない。
「ん……っ」
「そんで、こっちにも、っと」
「おい……っん」
挿し込んできた指で後孔を緩く掻き回しながら、橘は手にした液体を中にもたっぷりと塗り込んでくる。痒みのような感覚と共にその媚薬がかけられた箇所が熱を持っていくのがわかり、それが本物だというのが嫌でもわかった。
強気でいくだの何だのと騒いでいたが、こういう方向では割といつでも強引だろうとその顔を蹴っ飛ばしてやりたくなる。サングラスの暗さでよく見えないが、奥にある瞳が真っ直ぐに俺の反応を見ているようで身を捩って隠したくなるが、橘はそれを許さないと身体を足の間に割り込ませてきた。
「あっ、う……はぁ……」
「JJ……エロすぎやろ……」
ごくり、と奴の喉が鳴る。橘はわかりやすくズボンの前を膨らませながら、興奮に赤く染まった顔を冷やすように横に振ると袋に残っていた何かを取り出した。ガサリと音を立てた袋からは、今度こそそのサングラス目掛けて脚を振り下ろしてやろうかというくらいどうしようもない物体が出てくる。
「馬鹿、止めろ……っ、橘!」
「大丈夫やって、もーっと太いもん、いっつもすんなり咥え込んでくれとるやろ、JJ?」
「っ……挿、れる、な……あっ、あ……!」
橘が押し込んでくるそれ、ディルドの先を飲み込まされただけで身体が勝手に入ってくるものを締め付けてしまい、堪え切れない声が漏れてしまった。そのまま何度も抜き差ししながら、太いそれをゆっくり深く埋められる。
止めろ、抜け、その言葉も喘ぎに混ざってまともな声にならない。あげく中で振動し始めたものに、じっとしていられない身体が手錠をやかましく鳴らしてしまう。もっと激しく中を擦って欲しい、疼きは機械の断続的な動きでは治まってくれないのだから。
「たち、ば……っ、あ、うっ!」
「……う」
「足りな、あぁっ、あ……っ」
「うう……」
足りないはずなのに、それでもあらゆる神経を剥き出しにされたような今の状態では、容易く昇り詰めてしまうらしい。更に追い詰めるように胸の突起を弄っていた橘の手が止まる、もじもじと脚を擦り合わせながら、馬鹿みたいな恰好でどうやら我慢をしているらしい。
だがこっちもそんな橘をからかう余裕も、自分から仕掛けてやる余裕もない。太股が痙攣し、俺は繋がれた自分の手を強く握った。
「っあ、も……う……っ!」
「……――っ、あかん!」
「ひっ、あぁっ……!」
橘が泣きそうな声で叫びながら、俺の中で震えていたものを一気に抜く。その感覚に頭が焼き切れるような快楽が襲い達する寸前、奴はいきなり俺のものの根元を強く握ってきた。
「って、駄目やてJJ、我慢してぇ!」
「痛っ、ば、か、離せ……っ、イかせろ……!」
上ってくる熱が、すんでのところでせき止められる。気が狂いそうな快楽が内側で暴れ、身体を少しも楽にしてくれない。離せともがいてみても、「嫌や!」と我儘を言う子供のような橘は手の力を緩めようとしなかった。
「絶対あかん!! JJが俺の以外でイクとこなんて見たない!!」
真っ直ぐ俺を見つめながら、切羽詰まった表情でそんな事を言うものだから、俺はその勝手すぎる理屈と必死に求められている視線に、奴のズボンの前を弱く蹴り上げてやる。
「っ……!」
「なら……お前ので、っ、イかせろよ」
そのままぐいぐいと押してやれば、「ああ」「うう」と情けない声を漏らしながら、短い逡巡の後焦った様子でベルトを外し、勢いよくズボンを下ろした。張り詰めたものをゆるく握りながら逆の手で俺の脚を抱えると、すっかり慣らされたそこがヒクヒクと求め出すのがわかる。
あてがわれた熱がそのまま中に入り込んでくると、さっきよりずっと自分が興奮していくのがわかった。早く動けときつく締め付ければ、苦しげな吐息を漏らした橘が理性を飛ばしたように激しい抽挿を始める。
「ひっ、あ! あぁっ!」
今度はせき止めるものの無いそこから、勢いよく白濁が吐き出された。しかし橘は動きを止めず中を何度も擦り上げてくるので、脱力したい全身とまだ治まらない熱とで、声も殺せずなすがままだ。
腕を解放しろと、こいつが落ち着いたら言ってやる。柔らかい布が巻かれてるとはいえこれだけ暴れて擦れれば痛い、痛いからだ、奴の背中に触れたいとか、身体を起こしてキスをしたいとか、そういうつもりでは断じてない。そこまでこいつを甘やかせば、後が面倒くさくなる。
「JJ……っ、は、JJ……!」
「ああっ、あ、陽、司……んっ……!は……」
半分朦朧としてきた意識で奴の名前を呼べば、その身体はびくりと震え「反則やろ……っ!」と掠れた声で囁きながら、深くを抉ってきた。次に感じた熱に、俺はようやく脱力して身体をベッドへ預ける。
だが、まだ足りない。無理矢理暴き出された熱は、冷める事を忘れたように高まったままだ。だから、こいつがカラカラになるまで付き合ってもらう。
「休むな……さっさと、動け」
「あかん……女王様チックなJJもたまらん」
幸せそうに震えている奴をさてどうしてくれようかと考えながら、俺はようやく外された両腕を、まずは橘の背に回した。
おわり
あけましておめでとうございます!
[2013年 1月 4日]