湯煙の中の甘美な秘め事
「……ゃ……め」
寝苦しく、真夜中目を覚ますと汗で身体はびっしょりだった。この温泉宿は24時間露天風呂を開放している事を思い出し、べたべたとした気持ち悪さを無くすため簡単な荷物だけを持ち、露天風呂に通じている脱衣所へと向かった。
貸し切りに加えこんな時間だ、誰も居ないだろうと思っていたドアの向こうからは、しかし思いがけず小さな声が聞こえてきた。そしてその声は普段出すことはないような甘ったるい色を含んでいて、服にかけていた手を止める。今この宿に居るのは我らキングシーザーのボスと俺、ドラゴンヘッドのボス劉漸、幹部の宇賀神……そして、どちらにも属さない殺し屋、JJ。
「ぁ……っ、も……」
くぐもり響くその声は……聞き覚えがある。いや、きちんというならばこんな声は聞いた事がない。こんなに艶めいた、あいつ……JJの声は。
何かに誘われるようにしてそのドアの前に立つ。磨りガラスの向こうはほとんど見えない、つまり向こうからもこちらの様子は見えていないという事だ。近くに立てばその声に混じり粘つくような水音まで聞こえてくる、それを聞けば、その中で何が行われているか……想像するのは容易かった。
ごくり、と唾を飲み、取っ手に手をかけ音を立てないようそっと小さくそのドアを開く。そうして出来た隙間から中を覗くと、そこには自分の想像以上の光景が広がっていた。
「あっ……!あ、瑠夏……っ」
「おい、誰が口を離していいと言った」
「んぐっ……!」
「劉……あまり乱暴にしたら彼が可哀想だろう?ほらJJ、こっちも触って欲しいんだよね」
「んんっ……ん、う……っ!」
JJはボスに腰を抱えられながら後ろから貫かれ、前に立つ劉漸のものを咥えている。いや、思わず離してしまったものをまた無理矢理咥えさせられたらしい。苦しそうに顔を歪めたJJを宥めるように、勃ち上がりぽたぽたと粘ついた液体を垂らしているものをボスが優しく包み擦り上げる。すでに何度か達しているのだろうか、JJは触れられただけで身体をびくりと跳ねさせ目に涙を滲ませる。同時にボスが深く抉るように腰を動かすと、JJは耐え切れなかったのかまた劉のものから口を離し膝をがくりと崩れさせると地面へ倒れ込んでしまった。わざとなのか、ボスは抱えた腕を離すと自分のものが抜けるのをそのままに、ぐったりと地面に転がるJJの傍にしゃがんだ。その表情はどうしてか楽しげに見える。
「あーあ、もうギブアップかな?」
「フン、まだ平気そうだがな…」
「どうだいJJ?ボクも劉もまだイっていないし……キミも、中途半端にされて我慢出来るのかい?」
「っ……あ……」
ボスがJJのものを緩く撫でる、身体を固くし小さく声をあげたJJはどこか期待するようにボスの顔を見た。それを受けてボスはJJの腰を抱えると、昂ぶったものを双丘の間へぬるりと擦りつける。欲しがっているのか自分からも腰を揺らすJJを見て笑みを深めながら、しかし焦らすように何度もそこに自らのものを擦りつけるばかりで一向にその求めには応えようとしない。
「あっ……瑠夏、何で……」
「んー?キミの可愛いおねだりが聞きたいなぁと思って。劉も聞いてみたいだろう?」
「あぁ……浅ましく男をねだってみせろ、デスサイズ」
聞いているだけで恥ずかしくなるようなことを強要され、しかしそんな事を言われてJJがどう答えるのか……興味があった。昼間以上に刺激的な光景だというのに卒倒することもなくJJの乱れている姿を見続けている自分に疑問を感じながらも、そこから目を離す事が出来ない。
JJは今の姿を見られたくないだろう、俺自身JJがボスに抱かれている光景を見るのは複雑で目を逸らしたいはずなのに。そもそもこうして覗いていることがバレれば……覗きながら、興奮してしまっている事がバレれば散々からかわれJJには軽蔑されてしまうかもしれない。あぁいや、あの男に軽蔑されようがどうしようがそんな事はどうでも……よくないかもしれないが、とにかく、さっさとこの場を後にするのが正解だろう。わかっていてもまるで縫い付けられてしまったように足が動かない。どころかばれないように息を潜め、また溜まった唾を飲み込む。
更に数度、今度は強めに擦りつけられたJJは声を出さないまま戸惑うように口を動かし、ようやく、絞り出すように求められた言葉を口にした。
「瑠夏……も、挿れて、くれ……っ」
「ふふ……いい子だね」
「あっ……あ、あ……」
JJの言葉を受けたボスは、擦りつけていたものの先端をJJの後孔へと侵入させた。しかしそれ以上深くは埋めず、浅い抜き挿しを始める。もっと奥に欲しいのかJJは自分から腰を動かすが、ボスはJJの身体を押さえながらその浅い抽挿を続けた。
「JJ……そんなに腰を振って、いやらしいね……」
「や、あ……っ、瑠夏……」
「して欲しい事があるなら、言ってごらん?」
よく見ればJJの内股には、後孔から漏れたであろう大量の白濁が付着している。口の端にも同じように、唾液に混じった白濁。一体どのくらいこうして抱かれ続けているのか、あのJJが2人に言われた通り素直に求める言葉を口にした事からもそれが長い事は想像出来る。散々焦らされ、与えられ、今の状態になるまで滅茶苦茶にされたのだろう。
「っ……もっと、奥まで……」
「奥まで?」
「奥、まで……瑠夏のが、欲し……っああ!」
JJが言葉を言い切るより早くボスはJJの腰を強く掴み引き寄せると、突然深く昂ぶりを突き挿れた。求めていたものをいきなり与えられたからかその衝撃にJJは床に額を擦りつけるようにし、両手をきつく握りながら何かに耐えるよう身体を震わせたが我慢しきれなかったのかびくびくと背を跳ねさせ白濁を撒き散らした。
「っ、は……すごいな、またイったのかい?」
「貴様は、少し一人で楽しみ過ぎではないか?」
「あ、あっ……」
そのままボスはJJを揺さぶり始める。くたりと崩れたまま、それでも身体は感じてしまうのか床を爪で引っ掻くようにしながら喘ぎを漏らすJJに、何度目とも知れない甘い感覚が腰をぞくりと痺れさせた。
劉がJJの顎をとらえ無理矢理上を向かせると、また自分のものを咥えさせる。先程と違うのは、無理矢理咥えさせられたはずのJJがそれに両手を添え自ら舌を這わせ始めた事だ。そして上目遣いに劉の満足そうな笑みを確認すると、今度はその昂ぶりを自分の口腔に招き入れそのまま唇で挟むようにして刺激し始める。
「ん、ふ……んうっ……!」
「クッ……そんなに私のは美味しいか?」
「こっちも美味しそうに飲み込んで……まだまだ足りないんだね」
「まったく……私たちの方が搾り取られそうだ」
ボスは笑みを深めながら更に激しくJJを揺さぶり、劉漸も満足そうにJJを眺めながら髪をくしゃりと乱している。激しい水音が頭に響き、ごくり、ごくりと何度も生唾を飲んだ。息を詰めJJの中に欲望を吐き出したボスは、ゆっくりと自分のものを抜く。そこから溢れ出すように白濁が流れ出し、その感覚にJJは気持ち悪さからか劉のものを咥えながら小さく呻き声を漏らした。
それを見てボスは「そろそろ苦しくなっちゃったかな」と楽しげに笑うと、今抜いたばかりの後孔に指を入れぐちゃぐちゃと音を立てながら中のものを掻き出し始める。その指使いが単純に掻き出すだけの動きでない事は、びくびくと身体を跳ねさせるJJの反応を見ても明らかだ。
「ふ、う……っ……!」
「すごいな……どんどん溢れてくるよ。何回出したっけなぁ……劉、覚えてるかい?」
「さぁ……な。覚えきれないくらいな事は確かだが……」
「っ、あ……」
劉は己のものからJJの口を離させると視線を絡ませる。突然の喪失感にかぼんやりと口を開きながら劉を見上げるJJに、奴は一言「来い」と命令する。苦笑したボスが指を抜くと、JJは劉の肩に手を置き上へ跨った。そして自ら昂ぶった劉のものへ後孔を擦り付けゆっくりと腰を落とそうとするが、劉がJJの腰を掴むとその動きを止めてしまう。
「劉……っ?」
「そうじゃないだろう、全て見せつけるようにして飲み込め」
「っ、あ……」
「何だ?今更恥ずかしがる事でもないだろう、散々、犬に見せつけておいて」
「い……ぬ?」
「あ、駄目だろう劉、ばらしちゃ」
瞬間、劉と視線が合う。先程の発言といい、もしかすると最初から俺がこうして覗いている事はばれていたのだろうか。口振りからしてきっとボスにも。沸騰するように顔が熱くなる、今すぐにでも逃げ出してしまいたい、はずなのにやはり足が動かない。……動き辛い、というのもある。
「仕方ないなぁ……霧生、おいで」
「――っ!」
「なっ……!霧生……!?」
命令されれば自分はそれに逆らう事が出来ない。カラカラと音を立てながら戸を開けると、湯けむりの向こうに睦み合う3人の姿、今まさに劉のものを飲み込もうとしていたJJは、目を見開き訳がわからないといったように俺を見ている。
俺は直視するのも躊躇われ視線を伏せさせた、が、すぐ後甘い喘ぎが風呂場に響き、咄嗟に視線をまたJJへ向けてしまった。
「あっ……!あ、劉、止め……!」
「な……あ……」
「ほら、足を閉じるな……しっかり見せてやれ」
「あ……駄目、だ……っ、入って……」
劉に背を向け上に跨らされたJJは、逃げようとした腰を引き戻され後孔に昂ぶりをあてがわれると、下から突き上げられ抗う術もなくそれを飲み込まされてしまう。せめてもの抵抗なのか足を閉じようとするJJに、それを許さないとばかりに押さえ付け更に数度突き上げる。劉の腕に手を置きしがみつき、いやいやというように首を振りながらも飲み込んで行ってしまうその様子を見ると、自分のものが余計張りつめていくのがわかった。
「止め、ろ……霧生、見るな……あ、あっ」
「何だ、霧生に見られるのは恥ずかしいのかい?ボクらには散々見せてくれただろう?……こうやって」
「っあ……!」
「ここ、弄られてよがっていたじゃないか……あぁ、途中、ここだけでイったこともあったよね」
「ひ、ぁ……っ!瑠夏、触る、な……あぁっ、りゅ、う、動くな……!」
「っ……随分締め付けてくるな、犬に見られていると余計興奮するのか?」
ボスに胸の突起を指で弄られ、劉には下から突き上げられ、俺の登場で戸惑っていたJJの表情がまた快楽に溶けていく。力の入らない手で必死に2人の腕から逃れようとしていたその抵抗も、段々と意味を無くしていった。そうして翻弄されているばかりだったJJが、ボスの腕にしがみつくと自ら腰を動かし始める。途切れ途切れに甘い声を漏らすその唇をボスが優しく塞ぎ、劉はうなじに唇を落としながらJJの動きに合わせるよう激しく突き上げ始めた。鼻にかかるようなくぐもった声が口付けの合間に漏れ、俺は上手く呼吸が出来なくなっていく。
嫉妬か、興奮か、嫉妬だとすればどちらにだろうか。そんな馬鹿らしい事しか考えられないくらいに頭は混乱していた。ドクドクと五月蠅く鳴る心臓が鼓膜を叩く、甘い声、時折苦しげに漏れる呼気、粘つく水音がそこに混じり、どんどん意識はぼやけていく。今見ているものが果たして現実なのか、だとすればこれはあまりに、
「――っ!」
「あぁっ!は、ぁ……」
劉と同時に達したらしいJJは、力の抜けた身体をボスへ預け目を瞑っていた。無意識なのかその胸に頬を擦り付け甘えるような仕草を見せた奴に、俺は思わず手を伸ばしてしまいそうになる。ボスを自分に置き換え、そうして甘えられたらと想像するだけで……イきそうになった。
「んっ……あ……」
「すっかり従順になったものだな……随分快楽に正直な身体だ」
「いいじゃないか、こうして彼の可愛い姿を見れた上皆で楽しめるんだ……ねぇJJ」
ボスに抱き抱えられ劉のものが抜けると、JJは小さく震え虚ろな瞳をボスへと向けた。ボスが応えるように優しく口付けると、今度は劉がJJの顎をとらえ噛みつくように口付ける。それだけで反応し始めているJJのものに気付いてしまい、またごくりと唾を飲んだ。ふ、と、ボスの視線が俺に向く、自分でもわかるくらいに切羽詰まった視線を返すと、楽しげに笑ったボスはまた「おいで」と口にした。誘われるままゆっくり3人の元に近付き、腰を下ろす。
「霧生も我慢の限界みたいだね」
「オアズケは苦手か?ククッ……」
「なっ……俺、は……」
「JJを抱きたいと思ったんだろう?彼もまだ足りてないみたいだし……」
JJを見ると、奴はぼんやりとした様子で俺を眺めていた。先程までの恥じらいはどうしたのか、もしかすると諦めてしまったのかもしれない、2人の言葉を聞いていれば俺が長い時間3人の行為を覗いていた事はわかってしまうだろうから。
「JJ、霧生も混ぜていいだろう?」
「も……いい加減、に……っあぁ!」
「すでに反応させておいて、随分な口振りじゃないか」
劉の手が乱暴にJJのものを擦り上げる。痛みすら感じそうな触れ方に、それでもJJは背を仰け反らせ快楽に喘いだ。ボスは「だから劉、手荒く扱うのは止めろ。彼が壊れる」と咎めながらも、本気ではなくやはりこの状況を楽しんでいるように見える。ボスが今度は優しくJJの頬を撫で、耳元に何か囁く。JJは劉の与える痛い程の快楽とボスの与える甘い言葉に酔わされるようにして頷き、四つん這いの状態で俺の正面へ来るとゆっくりとした手付きで服を脱がせてくる。
驚きも混乱もあった、が、それ以上の期待で俺は固まったままJJを見下ろすことしか出来なかった。
触れる指は熱い、時折触れる呼吸も、向けられる眼差しも全て、熱くて仕方がない。まるで現実味のない光景だ、JJが昂ぶった俺のものへ直接手を添え舌を這わせる、その様子をどこか他人事のように見ながら思う。
これはまるで、甘美な夢のようだ、と。
「んっ、う……」
「っ、は……JJ……!」
JJも限界が近いのか、内部が熱く絡みついてくる。1度JJの口に出したので落ち着いただろうと思っていたものは、貪欲なまでの締め付けにあっけなく限界を迎えそうになっていた。耐えるようJJの背に熱を孕んだ呼吸を吐き出しながら、ゆるゆるとした揺さぶりを続ける。
「JJは本当に可愛いね」
「ん、ん……っ」
俺を受け入れながら、JJは口でボスのものを、手で劉のものを奉仕していた。先端を口で浅く咥え弱く吸い上げるようにして刺激を与えるJJ、ボスの指が奴の髪を弄り甘い囁きを落とす。それを受けてJJがまた中を緩く締め付けた。上げそうになった声を押さえるためなのか、単に甘い響きに酔わされたのか、JJはボスのものを更に深く咥える。咥え切れない部分を手で擦りながら、しかしそちらに夢中になっているせいでもう片方の手の動きは緩慢なものになっていた。
「フン、与えられる飴に夢中か?」
「っ……?――んんっ!!」
「早く奉仕して見せろ」
焦れたのか、それとも単に嫌がらせのつもりなのか、ボスがJJの髪から手を離した途端、劉がその頭を掴むと無理矢理顔の向きを変えさせ自分のものをその口腔へ含ませた。突然深く咥えこまされたJJは苦しそうにえずくが口を離す事が許されないのだとわかると、ゆっくり言われた通りの奉仕を始める。ボスは流石に劉のような無茶はしないだろうが、今度は片方の手の動きも疎かにせず緩急をつけながら擦り2人への刺激を続けていた。「いい子だね」とまたボスがJJの髪を柔らかく撫でる、劉が口にした「飴」という言葉の通り、ボスはJJに飴を与え、劉は鞭を与えている。そのバランスで、JJはこれ程までに溶かされてしまったのだろうか。
「っ……!お、い、JJ……!?」
「ん、んっ……!」
「足りない、って、JJがおねだりしてるよ?霧生」
「瑠夏、貴様のところの犬は満足に腰も振れないのか」
「そう言ってやらないでくれよ劉、霧生はこういったことにあまり慣れていないんだ」
きゅう、ときつく締め付けられ、油断していたせいもあってそのまま達してしまいそうになった。どうにか耐え、劉の揶揄とボスのフォロー……のつもりであろう言葉を受けた俺は、JJの望みに応えるためギリギリまで引き抜いたもので一気に貫いてやる。JJのあげた悲鳴のようなくぐもった声に少し焦りを覚えたが、同時に握りこんだJJのものは萎えるどころかびくびくと反応し昂ぶりを増していた。同じ場所をもう一度突いてみれば、JJは身体を固くしまた鼻にかかる声を漏らした。自分の限界も近い、覚えた場所を何度も強く擦り上げてやると、JJはすぐ耐え切れなくなったらしくびくびくと身体を跳ねさせながら絶頂を迎える。握りこんだものからは粘度の低い液体が僅かに吐き出されただけだが、それはもう散々イかされたせいで出すものがないというだけだろう。
JJが達した瞬間の締め付けで俺も限界を迎え、無理矢理深く抉ると奥へと熱を吐き出す。
「っ、は……!」
「ん、う……っ」
萎えたものを抜きJJの身体を離すと、JJは膝立ちで2人への奉仕を続けた。交互に口へ昂ぶりを招き入れ舌と唇で刺激し、咥え切れない部分は手で緩急をつけ卑猥な音を響かせながら。快楽を与えようと必死なJJを見ていると、萎えたはずのものはまた熱を上げていく。
「……出すぞ、全部、飲み込め……!」
「っ、ボクも……だ……っ」
劉に無理矢理深く咥え込まされ、そのまま口腔へと出されたらしいJJは苦しそうに眉を寄せながらもその熱を少しずつ飲み込んでいく。ボスも限界を迎えそのままJJの顔へ白濁をかける。2人のものから手を離したJJは自分の顔に付いたそれを指で掬うと、それを自分の舌で舐め取った。
淫縻なその仕草にぞくりと官能が刺激される、そしてそれは俺だけではなく、ボスと劉も同じらしい。
「まだ、欲しいのかい?ふふ、本当に搾り取られそうだな」
「淫乱な奴だ……まぁ、悪くない」
「J、J……」
うつ伏せに倒されたJJの口から、もう拒絶の言葉は出てこない。熱をあてがわれると期待に震え、互いに満足するまでの長い時間、喉が枯れ掠れながらもJJは甘い声を上げ続けた。
朝方ふらふらと部屋に戻り瞬間的に深い睡眠に落ちる。そうしてどうにか朝食の時間に目を覚まし、重い身体を引き摺りながら宿の廊下を歩いて行くと、朝から風呂に行っていたらしい宇賀神が歩いてくる。なんとなしに「おはよう」と声をかければ、奴は意味深に俺へと笑いかけてきた。不思議に思いながら横を通り過ぎようとすれば擦れ違い様に、
「昨夜はお楽しみでしたね」
と言葉をかけられる。昨夜、という単語に反応し焦って振り返れば、宇賀神の手には小さなメモリーチップが握られていた。まさか、と思いながらも混乱で言葉が出てこない。口をパクパクとさせながら固まっていると、意地の悪そうな笑顔を浮かばせた宇賀神が口を開いた。
「まったく、彼は今日起き上がれそうもないとのことですよ。無茶をしすぎです、貴方達は」
「な、な……っ」
「へぇ、宇賀神、映像に残してくれたの?それ欲しいなぁ、データコピーしてもらえるかい?」
「ちょうどいい、法外な値段をふっかけてやれ。財源を潤わせるのに役立ちそうだ」
やけに呑気な声が俺の背後から響いてきたことで、俺の混乱は更に量を増していく。そのままわいわいと話し込む3人に押されながら食堂へ向かう途中、宇賀神がまた俺へと言葉をかけてきた。
「今度は、私も混ぜてもらいますよ。貴方より私の方が、ずっと上手く彼を啼かせる事が出来ます」
「……っ、何を……!」
「それとも、自信があるとでも?」
「あ……あぁ!お前に負けてたまるか!」
「いやぁ、幹部同士仲良くなってくれそうで良い事だね。これもJJのおかげかな」
「まったく……たいしたものだな、あの男は」
そのとき、布団から起き上がれないまま悪い予感にぞくりと身を震わせたJJを知る由もなく、ボスと劉、俺と宇賀神はとても他人には聞かせられない会話を繰り広げながら、賑やかな朝食を済ませるのだった。
おわり